小平邦彦『怠け数学者の記』他 読書感想

メモ帳の整理をしていたら、2年以上前に読んだ本の感想が出てきた。どうやら感想を適当にメモして後で肉付けしようと思っていたのに、そのまま忘れていたらしい。 現在ではこれを肉付けするつもりもないので、せっかくだしこのまま掲載してみる。

まあ、個人的な読書メモなので、誰の役にも立たないだろうけど、それでいいよね。

・小平邦彦『怠け数学者の記』(岩波現代文庫)
日本人で初めてフィールズ賞を獲得した世界的数学者が、色々なところに発表した文章をまとめたものです。数学についての独自の理解や、戦後数学教育についての批判と実践的な提言、戦後間もない時期のアメリカでの研究生活について報告する手紙など、かなりバラエティに富んだ内容です。

・小平邦彦『ボクは算数しか出来なかった』(岩波現代文庫)
こちらは主に、小平博士の幼少時からの回顧録となっています。『怠け数学者の記』との重複も多々ありますが、そちらには掲載されていないエピソードも含まれているので、一読の価値があります。

・遠山美都男『白村江 古代東アジア対戦の謎』(講談社現代新書)
白村江の戦いに至る唐・百済・新羅・倭国の前史から解説することで、この戦いの全体像を描き出した本。
前史から語ることで、倭国の敗因やその後の状況についても一貫した説明がなされている。通説的な見解をあえて退けるだけの説得力があるように思われた。
しかし、このように白村江の戦いの位置づけが変わってくると、個人的に高く評価している『アマテラスの誕生』の論旨にも、いくらか影響が出てきそう(まあ、本書の方が出版年は圧倒的に早いんだけどさw)。そういうことを考えるだけでも面白い。

・増田四郎『大学でいかに学ぶか』(講談社現代新書)
学問する人間にとっては有益なアドバイスで溢れている。
しかし70年代に出版された新書の内容がいまだに妥当しているというのは、結局著者の主張の重要さを社会が真摯に受け止めなかったということでもあるので、微妙な気持ちになりますな。