【読書感想】『アレクサンドロス大王東征を掘る』他

アレクサンドロス大王やアレクサンドリア、新プラトン主義などに少し興味があります。そこで先日、図書館ですぐに借りられそうな本をピックアップし、何冊か借りてきました。

しばらくは仕事が落ち着かなくて読書時間を捻出できなかったのですが、最近ようやく落ち着いてきたので、昨日は図書館で借りた本をのんびりと読んでいました。久々にコーヒー片手に優雅な一時ですw

『アレクサンドロス大王東征を掘る』

私は歴史よりも哲学や思想に興味があります。しかしそうした精神的な側面を深く理解するには、歴史的事実の知識が不可欠です。

大学を卒業してからこのことに思い至り歴史系の本に興味を持つようになりました。そして歴史を論ずるなら、まずは考古学的な研究を押さえていなければ机上の空論になってしまうと考えるようになりました。

そのため、今回アレクサンドロス大王について知りたいと思った時、最初に選んだのが考古学関係の本です。

・エドヴァルド・ヴァシリエヴィチ ルトヴェラゼ『アレクサンドロス大王東征を掘る―誰も知らなかった足跡と真実』帯谷知可訳、NHKブックス、2006年

アレクサンドロス大王による東征について、その実態を考古学者が最新の研究成果によって報告しています。本書のキモは、著者が30年以上発掘調査をしてきた集大成であり、考古学的な裏付けのある話だということ。そして考古学的な裏付けによって従来の定説を覆している場面が多々あることです。

なんといっても最新の発掘調査の成果によって、従来信じられていたことが覆されていく様子は快感です。古い成果のまとめではなく、現地調査からの最新情報こそ知りたかったのです。特に科学的な調査による旧来の定説の打破などはほんとうに心が踊ります。自分が素晴らしい時代に生きているという実感が得られるからです。

冷戦の関係もあってウズベキスタンの調査が中々進まなかったそうですが、それだけに政治的な制約を乗り越えて得られたこれらの知見はとても貴重です。中央アジアの民間伝承にアレクサンドロス大王が現れているのも初耳で興味深いものがあります。

アレクサンドロス大王について予備知識がなくても面白いですが、多少なりとも知っておいたほうがより楽しめるかもしれません。

アレクサンドロス大王東征を掘る―誰も知らなかった足跡と真実 (NHKブックス)
エドヴァルド・ヴァシリエヴィチ ルトヴェラゼ
日本放送出版協会
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『学術都市アレクサンドリア』

続いて読んだのがこちらの本です。

・野町啓『学術都市アレクサンドリア』、講談社学術文庫、2009年

読み始めてすぐに、どこかで読んだことがあるなと気づきました。初出をチェックしたら、既に読んだことがある本の文庫版でしたw

本書はこちらの本を文庫化にあたって改題したものだったんですね。

・野町啓『謎の古代都市アレクサンドリア』、講談社現代新書、2000年

本書はアレクサンドリアについて歴史や文化、思想等を総合的に紹介している内容豊富な一冊です。プトレマイオス朝の思想的傾向について書かれており、新書としては結構中身が詰まっている印象を受けました。

新プラトン主義の思想についても章を割いており、なにげに貴重だと思います。やはり新書は最近よりも少し過去のものの方が面白いですねw

せっかくなので改めて読み返したところ、前回読んだ時には見落としていたことも色々と発見しました。「読書は同じ本を最低でも3回は読み返すべし」ってのは真理ですね。