ルイスの反論について、一ノ瀬正樹は、次のように反論している。
タイムトラベルの想定を理解可能なものとするならば、
(1)それらは別の可能世界・可能時間である。
(2)すでに逆向き因果を相当程度許容するに等しい。
としてこれらのルイスの反論は有効じゃないとしている。
しかし、読んでいて思ったのは、そもそもルイスの反論の趣旨は、「仮に逆向き因果を認めたら、矛盾が生じる」という背理法なんじゃないのか、ということ。
だから(2)は当たり前の話で批判にならない。
また、(タイムトラベルが逆向き因果の一事例であること(※)を前提することで)「逆向き因果」である以上は同一可能世界・可能時間の出来事だから、(1)も成り立たない。
つまり、ルイスの反論の趣旨は「タイムトラベルが逆向き因果の一事例だとすれば、それは矛盾に帰着する」ってことなんじゃないかな。
んで、この反論の信頼性は(※)の命題がどの程度信用できるかに依存する、と。
だからルイスとしては(※)が相当程度信用できる命題だと考えていたのではないかな。
と、原論文も読まずに、なんとなく思ったことをメモしてみる。