ヴェルツェルの規範論や哲学的著作はいまだに価値を失っていないにもかかわらず、なぜか日本にちゃんとした翻訳がない。これは学問的にまずいことなのではないか。きちんと哲学的側面にも光を当てた翻訳が必要な気がする。
そもそもブレンターノらからの影響により、志向性概念を軸に行為の存在論的構造を考えてきたのがヴェルツェルなのだから、フッサール的な現象学との思考方法の異同とか、現代の英米分析哲学における行為論との比較検討など、いくらでも面白そうなテーマはあると思うのだがどうか。
そういえばルシュカがそんな分析哲学系の行為論からインスピレーションを得た感じの遡及禁止の論文を書いていたような気もするが、記憶が曖昧。
たしか成文堂から行為論に関する比較的新しい研究書が出ていたと思うけど、そういうニーズがいまだにあるのだから、しっかりとしたヴェルツェル翻訳を出して欲しいなあ。
※今検索してみたら出てきた。この本ね。
【行為概念の再定位】
昔出ていた本は基本的に入手困難だったり、古書店で見つけても状態がひどすぎるものばかりなんだよね。日に焼けすぎて判別が難しくなっている表紙とか、触ると破れてしまいそうな紙面とか、購入をためらってしまうよ。少部数でもいいから発行してくれないかな。
まあ、一応注意しておくけど、基本的にこの文章はメモ書きなので、無責任に書き散らしているだけだから、鵜呑みにしちゃだめですよ。眉に唾つけて読んでくださいw