デイヴィッド・リースマンの名著『孤独な群衆』は、みすず書房より既に翻訳書(初版1965年)が出版されているが、今回「始まりの本」シリーズのなかに改訳版して新たに収録されることになったらしい。
シリーズ収録にあたっての変更点として、まずは上述の通り改訳版になっていること。翻訳者自体は加藤秀俊のまま変わらないようだが、なにしろ50年近く前の本を改訳するわけだから、訳者の仕事の集大成になりそうな予感。
また今回は、翻訳書出版後に出された1969年版にリースマンが付した序文およびトッド・ギトリンの解説が収録されることになったそうだ。これは非常にありがたい。
さらに社会学における半世紀もの蓄積を踏まえた訳者解説も付されるということで、旧版を持っている人も一読の価値がありそうだ。
ボリュームも旧版308ページの2倍にもなるため上下分冊で発行されるらしい(上巻360ページ、下巻320ページ)。もちろん、フォントサイズの違いもあるだろうが、期待してもよさそうだ。