カール・シュミット「政治思想論集」がちくま学芸文庫から出ていますね。これで文庫で読めるようになったカール・シュミットの著作は2冊目ですかね(論集を著作1冊と数えていいのかはわかりませんが)。
筑摩書房
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彼の重要度を考えると、もっとどんどん著書を文庫化してほしいものですけど、カール・シュミットを好んで読むのは法学や政治学専攻の学生だけだろうからなあ。
しかも元々読者の母数が少ない上に、最近はいくらか見直しが進んでいるとはいえ、法学部でもカール・シュミットを読む学生はほとんどいないんですよね。私には知的水準の低下のように思えるのですが、こういう意見は多分少数派です(´・ω・`)
それだけに、今回ちくま学芸文庫が『パルチザンの理論』に続いて出してくれたことに、非常に意義があると思いますね。
いっそ文庫で著作集でも出してくれればいいのですが。だったら買うんだけど。
でもカール・シュミットについては、著作集が慈学社から出ていますし、他にも主な著作が未来社から出てます。代表作の一つである『憲法論』はみすず書房からですし、著作集を出すには権利関係が複雑な予感です。
この上利益の見込みも立たないとなれば、学術的な意義があるとはいえ、あえて火中の栗を拾う人はいないか。
昨今の政治情勢や刑事立法の傾向を読み解くために、彼の理論はとても有益な視点を与えてくれるんですけどね。
同時代のハイデガーについてはいろいろな研究があるのに。
もっと一般の人もシュミットを読むべきだと思います。