ブラジルW杯のサプライズ
ブラジル対ドイツ戦は、明らかに今大会最大級のサプライズだったと思います。
これまでのところ、スペインのグループリーグ敗退が今大会最大の話題でした。前回優勝国が、メンバー変更も最低限なのにあっさり敗退してしまったのは、ポゼッションサッカーの終焉という一時代の終わりとして受け止められました。
これまでのところ結果を出してきたのは、堅守速攻を基本とするチームばかりです。結局は一発勝負の大会だとポゼッションよりも堅守からのカウンターサッカーが優位なのではないか。そんなことを視聴者に思わせる内容の試合が続きました。
そうした全体のトレンドを象徴するのが、オランダ戦でのスペイン敗北だったわけです。
しかしブラジルの敗戦は、それと同等の衝撃を世界中にもたらしました。
ブラジルの歴史的大敗の衝撃
なにしろ世界最強のサッカー王国ブラジルが、コンフェデ杯での優勝を引っさげて開催国として参加するわけです。メンバーを見てもどのポジションも世界レベルのプレイヤーばかり。優勝候補筆頭と言われて不満に思う人もいないでしょう。
たしかに、そんなブラジルの対抗馬として挙げられてきたのがドイツだったのも事実です。安定して上位に食い込める圧倒的な実力は、スペインと並んで優勝候補の一角でした。
しかし、この2チームの試合が、7-1という圧倒的大差で終了するなど誰が予想できたでしょうか。熱狂的なファンが(相手への煽りも込めて)大勝を予想するとしても、4点か5点が関の山でしょう。ブラジル守備陣が7点も取られて敗北するなんて、予想できるはずがありません。
個人的には、2点目を取られてからのブラジルのメンタルに問題があったように思えました。たしかに攻守にわたって柱となる選手を欠いていたわけですが、それにしてもあそこまで点差がつくほど実力差があったとは思えません。
メンタル面での問題が大きかったと、私には思えます。
象徴的だったのが、たった2点取られただけで涙を流すサポーターの存在です。たしかに困難かもしれませんが、ブラジルのアタッカー陣の破壊力で2点差をひっくり返すくらいなら、現実的にいくらでも可能でしょう。まだ前半だったわけですし。
それがある時点から緊張の糸が切れたかのように連続失点するというのは、メンタル面に問題があったとしか言えませんよ。
とはいえ、ドイツがメンタルの緩みを突けるだけの実力があったことも理由なんでしょうけどね。パスワークは驚くほどですし、個人技でも凄まじいプレーが幾つもありました。個の力でも組織力でも圧倒していましたね。
要するに、強い相手に好きを見せたら終わりだということなんですが。ブラジルでもここまで蹂躙されるとは、決勝戦がどうなっちゃうんでしょうね。
アルゼンチン対オランダ戦はどうなる?
個人的にアルゼンチン、というかメッシがマラドーナを超えられるかが気になっているんですが。チーム力としてはオランダが圧倒しているように思います。てか、ドイツを倒せそうなのはオランダくらいじゃないですかね。
アルゼンチンはメッシ頼みのチーム作りと戦術を選んだとはいえ、アタッカー陣は間違いなく世界トップレベルなので、オランダの攻撃を守備陣が跳ね返せるなら、ワンチャンスをメッシが決めて勝利という可能性もなくはないですか。
うーむ、いずれにせよ興味深い試合になりそうです。