オルセー美術館にあるマネの裸婦画「オランピア」を真似した女性アーティストが逮捕されたというニュースが入ってきました。
私としてはぜひその場面を動画で見たかったですけど、当たり前ですがネット上にはそういう動画は出回っていないようですw
それはさておき、このニュースを聞いて気になったのがこの女性アーティストが誰なのかということです。
これについてはなぜか報道されていないんですよね。
どうやらルクセンブルクのアーティストだそうですが、いったい何者なのでしょうか?
アーティストの女の実名は?
逮捕されたアーティストの実名を調べるための手がかりは、この女が過去に起こした事件について調べることです。
実はこのアーティスト、2年前にも同じくオルセー美術館で似たような事件を起こしているんですね。
この時は「世界の起源」というクールベの作品を真似し、自分の股間を露出して逮捕されました。
そのときの報道を調べてみると、このアーティストの実名がわかります。
この女性芸術家の名前は、デボラ・ドゥ・ロベルティス(Deborah de Robertis)です。
ルクセンブルク出身のパフォーマーであり、1984年2月12日生まれの31歳ですね。
もっと年老いた中年女性かと思ったのですが、想像していたよりも若くてかわいかったですw
どんな経歴?
実はこの人、2015年1月の週刊ポストにインタビュー記事が掲載されていました。
それによれば、この人は大学時代から性器露出パフォーマンスの研究をしてきたらしく、学生時代にはストリッパーをしたこともあったそうです。
その後はモデルや映像作品に出演するなどしながら、研究を続けてきたとのこと。
まあ、要するにいろいろな仕事で性器露出をしてきたわけです。
「すべては今回のパフォーマンスに通じるものです。つまり、人々がどういう思いで女性の肉体や性器を見つめるのかを徹底的に突き詰めたかった」
などと本人は主張しているようですね。
ちなみに、現在どうやって収入を得ているのかというと、パフォーマンスそのものからの収益では生活できないようです。
「企業のメセナ活動の援助金をいただいたり、親からもずいぶん助けてもらっています。コツコツとやってなんとか暮らしています。正直なところ私の作品を評価してくれるスポンサーが欲しい」
かなり生活は苦しいのかもしれませんね。
金銭面以上に芸術性を評価されないことがきついのかもしれませんが。
でもまあ、本当に苦しんでいるのは、資金援助しながら娘のパフォーマンスを見ている親かもしれません。
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個人的な感想
彼女は次のような仕事もしたそうです。
23歳のときには、ベルギーで50歳になるポルノ映像制作者の男性とコラボレートしたこともある。
「全裸の私が電車に乗り込み、服を着ている男性にペニスを出してもらうという企画です。私はそれをアート作品として撮影し、男性はポルノとしてカメラを回していました。6年前にはホテルの一室で男性に私の裸体を2時間かけて撮影してもらい、作品にしました」
「人々がどういう思いで~」って言ってますけど、まさにこの事例が示しているのではないでしょうか。
彼女の芸術的パフォーマンスを「男性はポルノとして」受け止めています。
これが絵画であるならともかく、生身の身体を開示した場合、男性は芸術性ではなくポルノとしてしか見ないですよね。
率直なところ、男性が若い女性の裸を見てそこに芸術性を読み込めるのは、その女性が好みじゃない場合だけだと思いますw
いや、好みじゃない方がより下世話な感想を持つかもしれませんw
まあ、私がこういう感想を持つのは、現代の芸術に対する理解に欠けているからかもしれませんけどね。
私に彼女の活動の意義はよく理解できませんが、本人が良かれと思ってやっているなら止める必要もないと思います。
いや、もちろん公共の場でやられたら公然わいせつですがw
芸術や美術について理解を深めるなら
こういうニュースを見ると、現代アートなるものの歪さを感じてしまいますね。こういう行動は迷惑行為とか反社会的行為、話題性作りの性的パフォーマンスにしか思えないのです。
それともこれが美術というものなのでしょうか?
こういう根源的なところがわからなくなった場合は、その分野の歴史を辿ってみるのが一番いいです。
この場合なら美術史や芸術史についての本を読んでみるのが、疑問に答える一番の近道なのかもしれません。
手頃な本としては、ダナ・アーノルド『一冊でわかる 美術史』などがあります。
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